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釣り場で聞いた少し怖い話

 第5章( 二十一話〜二十二 )


釣り場で聞いた少し怖い話  怖い話・第二十一話 水の底 釣り場で聞いた少し怖い話



 梅雨に入り渓流や河川の風物詩としても良く言われる鮎釣り。
ルアー釣りがメインの僕は鮎を釣る事はありませんが、渓流でヤマメやニジマスを
釣っていると一緒になることも多いです。

 鮎釣りの特徴としてはウェーダーで河川内に入っての釣りです。 独特の長い鮎竿
を使用しても届かない岩場やポイントを狙う為で、ビックリするほど浸かって釣りを
する人も珍しくありません。


 そんな鮎釣りに良く行く釣り人から聞いた話をしましょう。



 梅雨だというのに雨の少ない日が続き、河川の水位も減水傾向。 いつもの鮎釣り
仲間2人で釣りに出掛けました。
 いつもなら早朝早くから出掛けて、お気に入りのポイントで釣るのですが、この
日に限り少し出掛けるのが遅れました。

 「どこも釣り人でイッパイだなぁ〜」
 「もう少し上流に行こう」

 1時間遅れただけでも釣り場は埋まり、仕方なく二人は上流へと車を走らせました。


 30分ほど川沿いを走ったでしょうか…、鮎釣りにしては少し狭い川幅ですが、ベテラン
の二人には鮎の気配を感じたのでしょう。 ほどなく良い釣り場を見つけて、二人で川へ
降りていきました。

 「ここ初めてだよなぁ〜」
 「モノは試しで釣ってみるか」

 
 直ぐに思い思いの釣り場を見つけて、鮎を釣り始めました。 

 「おっ! いい型だッ 」

 あまり釣り人にあらされてないのか鮎のサイズが良く、二人は夢中に釣っていました。


 時間は正午を差そうとしています。 弱ってきた囮鮎を交換するついでに昼にしようと
した時でした。
 グイイイイッ 竿の当りではなく、何かに足首を掴まれたのです。

 何かに挟まった!!? 太股位の水深ですが、川底は見えません。 それでも最初は
岩か流木に足首が挟まったものと思い、焦らずに引き抜こうとします。


 うわぁあああッ

 足が挟まって動けないだけの悲鳴ではありません。 足首に感じるのは明らかに木や
岩では無く、ましてゴミなどとも考えられない、人間の手そのものの感触なのです。

 手で捕まれている!!確かに感覚がそう言っているのですが、そんな事は信じる事は
出来ません。 全身に走る寒気が、何か異様な気配を感じます。

 「くそッ 何だ」

  

 全身に汗が噴出しますが、そんな馬鹿な!と言う気持ちも大きく、必死に抜け出そうと
もがきます。

 「何なんだッ いったい!!」

 こうしている間にも異様な力で足が締め込まれます。 その締め込みが強くなるにつれ
それが5本の指で捕まれていると言う感覚が強まります。

 「うわあ、た・助けてくれ」

 焦れば焦るほどに食い込み、その力が尋常でな強さではないのです。 感覚が無くなり
そうな圧迫感に、なりふり構わず一緒に来ていた友人を呼びます。

 「おいっ 助けて!助けてくれッ!!」
 「 … なにやってんだ?あいつ 」

 バタバタしている友人に気がついて、ロッドを岸に置き近寄ります。 別に溺れている
訳ではなさそうですが、普通でない悲鳴と慌てぶりに急いで駆けつけました。


 「助けてくれッ 足が!足が挟まって!!!」

 「…、網か紐じゃないのか」

 「判らんッ とにかく、足が千切れそうなんだッ」

 「何だ…針金でも巻きついたのか…ちょっと待ってろ」

 水深は大した事無いですが底は見えません。 偏光レンズを外して、顔を突っ込んでみる
事にしたのです。 
 「仕方ないなぁ、動くなよ。確認してやるよッ」


 ジャブッッ。 友人が顔を水に突っ込んで確認した瞬間…

 「うぎゃぁああああああ」

 顔を突っ込んだ方が驚いて、全身びしょ濡れになるほど転びます。

 「なッ どうなってた?」

 「うわあっ、うわああああ」

 友人の方の慌てブリに、逆に驚いて訳がわからなくなります。
もう手に持っていたロッドも仕掛けも放り出し、二人でもがく様にして足を抜き取り、川岸
を目指します。
 足は? 付いてるのか、千切れているのか? そんな事がどうでもいい位の勢いで狼狽し
岸に這うようにして上がりました。

 「ゼェゼェ… 」 
 「はぁはあはあ…」

 命カラガラに二人が息を切らします。


 「お〜い 大丈夫か? 何があった〜」
 
 川の横を通る道を車で通りかかった地元の人が声を掛けて来ました。 二人の異様な行動に
何か緊急事態を感じたのでしょう。

 「いや、、、はあはあ、足が、、岩に挟まって…」

 当の本人、足が挟まって動けなかった釣り人が言い終わらぬうちに、友人が口を挟みます。

 「ば、ばか野郎!岩なんかじゃない! 人の手だった  確かに人の手だ オレが覗くと
向こうも振り向きやがった。 あ…あれは人の顔じゃねぇ…」

 最初に慌てた者よりも、川に顔を突っ込んだ方が真っ青な顔でガクガク震えています。

  

 「まあ、とにかく落ち着いて。」
 
 助けに来てくれた人がなだめ、二人は落ち着きを取り戻しました。

 「…絶対に…何かが居たんだ…」 
  寒さだけではなく震える唇で訴えます。

 「まあ、とにかく全身びしょ濡れだから、脱いで着替えがあれば着替えなさい」

 
 梅雨時期といえど渓流の山間です。 二人が寒さのせいで震えていると思ったの
でしょう。 二人はぬれた場合も考えて、着替えを用意していました。

 車まで戻り服を脱いだ瞬間に、他の二人が絶句しました。


 「あ…あんたが…見たのは本物なのか……」

 「うわッうわあああああ」


 足が動かなかったのはやはり手が足を押さえていたのです。 その挟まってたと思
われた足には、無数の手形が青アザとなって残っていました。
 
 とても厚手のウェーダーの上から掴んだとは思えないほどのクッキリとした青アザ
に余程の力で捕まれた事が判ります。


 その青アザは2週間ほどで消えたらしいのですが、この世の者とは思えないほどの
怪力で捕まれた感触は、今でも忘れられないそうです。


 
 後から調べてみると、この場所は多くの釣り人が水死している場所らしく、地元で
は有名な危険場所だったそうです。
 複雑な水流のせいだと言うのが警察の発表でしたが、本当は… 。
 


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 水の中と言うのは考えると本当に怖い。特に夏は水の事故が増えますしね。
 もしかしたら家のトイレとかでも出るかもしれません。

 クソまみれの手で尻を捕まれる… ( ̄д ̄;)怖ろしや〜。







釣り場で聞いた少し怖い話  怖い話・第二十二話  獄刑島 釣り場で聞いた少し怖い話



 地元に人が敬遠する釣り場は多く、そういった場所はある一定の風が吹くと大荒れ
に海が荒れたり、全く魚の釣れない釣り場が多いのですが、中には”いわく”つきの
場所と言うのもあります。

 今回はそんな”いわく”つきの釣り場に行き怖ろしい出来事に遭遇した人の話です。
 仮にAさんとしてお話をしましょう。


 その日は風の全く無い日で、潮の動きも少ない日でした。梅雨の中休みと言った感
じで暑くは無いのですが蒸すような気温が夜にも続いてました。

 本当は出掛ける予定ではなかったのですが、Aさんは明日の仕事が急に休みになり
夜の時間があいたので釣りに出掛けることにしたのです。 

 「今日は何処にするの? Aさん、そろそろ最終なんだけど」
 「う〜ん、これだけ潮が流れないとなぁ」

 良く行く渡船店でこの日に渡してもらう磯を話しているのですが、なかなか決まり
ません。Aさんは釣り歴も長く、大抵の磯には渡っていますが、釣り場の状況は良い
とは言えず、なかなか決まりません。 海域の地図を見ながら思案をしていました。

 ふと、あまり言った事の無い島に目が留まりました。 こんな島あったっけ?

 「この島のココはどうなの?」
 「確かに今日でも潮の流れはいいかもしれないね〜。」
  … … でも、そこは…」

 しばらく時間を置いて、先頭さんが話そうとするのを止めるようにAさんが口を挟み
ました。

 「じゃ、今日はここにするよ」
 「いや、でも…」
 「え? 危ないのココ?」
 「あ、いや、そう言う訳じゃ…」

 近くには海水浴場もあり特に流れが危険と言うわけでもありません。 特に釣り禁止
エリアでもないので、そこへ渡す事にしました。

 「じゃあ、迎えは朝方でいい?」
 「ああ、いいよ」


 Aさん程の釣り歴の長い人でも、やはり初めての釣り場と言うのはワクワクするもので
渡船は30分ほどで釣り場につき、意気揚々と釣り場へ渡りました。

 直ぐに仕掛けを済ませ、暗くなった海へ電気ウキを投げ込みます。

 「こんな場所もあったんだなぁ〜」

 雨こそ降りませんが湿度の高い梅雨の夜です。 Aさんは座り込んで釣りを始めました。
やがて、少し潮の流れが出始めた頃に電気ウキが消しこみます。

 「おおっ、これは良いかも! ああッ ばれた。」 

 のんびり釣っていたのであわせも遅れ逃してしまいます。
その後、魚の当たりも遠のき深夜の1時を過ぎた頃から竿を置いて、仮眠を始めてしまい
ました。 
 釣り場の怖い話、怖い写真
  ボチャッン!!!   

 「ウわっ!」
 
  思わず飛び起きてしまうような水に何か
 が落ちた音に飛び起きました。

 「なっ、なんなんだいったい!」


 魚の跳ねる音にしては物凄く大きすぎて、この海にそんな大きな魚が居るとも思えません。
考えられるのは、背にした崖から岩か何かが落ちたような音です。

 「い…岩か…」

 殆ど垂直に伸びる崖の上は薄暗く見えません。 梅雨の雨で緩んだ岩か木かが落ち
たと思った瞬間に次の音がしました。

  ボッチャン!!

 「ヒ!ひぃ」

 思わず悲鳴を上げてしまう大きな音に、その場を跳ね起きました。

  ボチャン! ボチャッッ!!

 「うわぁあああ」

 目の前の海に上から何かが落ちていきます。雨で倒れた倒木か、岩か? とにかく
自分の目の前をかすめる様に海面に落ちていくのです。

  ボチャン!  ボッチャンッ!

 それが1時間ほど続いたでしょうか。Aさんは訳の判らないまま身を潜めてました。

 「何が?なんなんだ‥」

 明方4時になると薄っすらと空も明るくなり始めました。 その時に、目の前に信じ
られない物が立っていたそうです。

 「うわぁあああ!うわぁああああ」 

 薄っすらと見える少し向こうの岩に、逆立ちで人らしき者がこっちをむいて居たのです。
最初は目を疑ったのですが、目を凝らしてみると確かに白い着物の人間が逆さまで居るの
です。

 「ひいいいいい」

 ずぶ濡れの衣服に、真っ白な顔は生気が微塵も感じられません。 この世の者とは思
えない形相にAさんの全身の鳥肌が立ちます。 

 「う…ウソだろッ!おっおいいい」

 幽霊などと言う話自体を信用もしてなかったAさんです。 目の前に居る者が何なのか
判らないまま、ただ後ずさりをしてました。

「うわあ!わああああ!」

 逆さま立ちをしてこっちを向く者の顔は真っ白で、それが暗闇に異様に際立ちます。
しかも、その形相ときたら…、絶望と怒りが混ざった眼差しはとてもこの世の者とは
思えません。 

 
 
 その時です、後ろから光りが包み込むように感じた瞬間、その逆さまの者の姿も消え
ていきました。 それは、迎えの船の灯りでした。 Aさんの姿の見えない先頭さんが
ライトで照らしたのです。

 転がるようにして船に飛び乗るAさんを不思議そうに先頭さんが見ます。

 「なにがあったの?」
  
 ガクガク… と震えるAさんの姿に、尋常な事ではないと感じたので、直ぐに船を出
しました。

 「後の便で釣具は回収してあげるけど、何があったの?怪我でもした?」
 「…あ、あんな場所、い・行っちゃ駄目だ…」

 少し落ち着いたAさんは自分が体験した一部始終を話しました。 崖の上から得体の
知れない物が海に落ちていった事。 目の前の岩に立った白い着物で逆さま立ちをする
幽霊の話…。
 今まで幽霊や心霊の類は信じてもいなかったのに、あれは幻や夢ではなく現実に目の
前で起こった事に間違いないと話しをするうちに先頭さんが話を始めました。


 「Aさん、申し訳ない…釣具は弁償するよ…」
 「ど‥どういう事?‥な、何か知ってる・の?」
 「い、いや俺も、昔に親父から聞いただけなんだけど、」

 
 Aさんのあまりの怯えように只ならぬ自体を感じ、船頭さんが話し始めました。

 この島には昔に囚人達を集めて鉱山で強制労働させていた島があったのです。その
囚人達の中でも特に逆らう者や、伝染病になった者など時には無実の罪で投獄された
者達の処刑場があったそうです。

 明治末期までは通称で獄刑島とも呼ばれ、地元では有名でした。

 処刑方は崖の上から足を縛り付き落すもので、大抵は下の岩場に打ちつけられて死に
運よく海に落ちた囚人でも足首を縛られて、もがき苦しんで溺死していったそうです。

 夜漁をしていると岩に逆立ちの幽霊を見た…、崖から落ちていく白い幽霊を見たと言
う目撃談が相次ぎ、地元の漁師は近づかなかったそうです。 近くには夏だけ営業する
小さな海水浴場もあるのですが、事故が相次ぎ殆ど客も集まらないような状態に幽霊の
せいだと密かに話してたそうです。

 昭和の初期には僅かながら残っていた島民も島からはなれ、戦国の時代に囚人達に
よって掘られた鉱山跡は今では自然に戻りました。 崖の上には小さな形だけの石塔
で供養しているそうですが…、多くの囚人達の無念の念が今でも近くの海域をさ迷って
いるのかもしれません。
 足首を縛られ沈められた囚人達…、逆立ちしてまで陸に上がって来たのでしょうか。


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 ( ゚ε゚;) もしも、逆立ちしてる人は現実に居て、トレーニング中の人だったとしても
 逆に怖いゾッ。

 






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